“裏切られる科目No.1”である生物
“裏切られる科目No.1”である生物が、なぜ毎年毎年、薬学生を裏切ってくるのか?
裏切りの理由の一つに、出題範囲が[①微生物学]、[②生化学]、[③遺伝子系]、[④機能形態学]、[⑤免疫学]と切り口が異なる科目の組合せで構成されていることが考えられます。
上記①~⑤の各範囲をまんべんなく、高いレベルで知識を維持することはなかなか難しいです。
でも、点数は取りたい…そのためには各範囲の特徴を把握し、効率よく勉強を進める必要があります。
以下に、出題される項目の優先度と特徴をご紹介します。
(☆マークが多いほど優先度が高くなりますよ。)
項目 | 優先度 | 特徴 |
---|---|---|
生体防御反応、免疫系 | ☆☆☆☆☆ | 出題頻度も高く、薬理や病態・薬物治療にもリンクする範囲なので、めちゃ勉強してください。 特に免疫応答の流れ、免疫を担当する細胞、サイトカインは出題必須です。 |
ホルモン | ☆☆☆☆☆ | 薬理、病態の範囲にも影響を及ぼす重要項目。 分類、生理作用などほとんどのことが大事です。 めちゃ勉強してください。 |
五大栄養素 | ☆☆☆ | 生化学のメイン範囲です。名称、構造、特徴を必ず理解し覚えておきましょう。エネルギー代謝で使っていきます。 |
遺伝情報系 | ☆☆☆ | 出題頻度は高いですが、遺伝子工学の実験系の問題は難易度が高いものが多いので、ひとまず後回しで。 |
エネルギー代謝 | ☆☆☆ | TCAサイクル、電子伝達系、β酸化など衛生をはじめ他の科目でも活用する範囲なので、正確にマスターする必要がある範囲です。 |
生体内の構造 | ☆☆☆ | 身体構造をビジュアル化して記憶することが重要です。 |
酵素・タンパク質系 | ☆☆ | 薬物動態学との紐づけ学習をすると忘れにくい知識を構築できます。 |
オータコイド | ☆☆ | アレルギーや炎症反応など病態との関連性が高い範囲です。病態を勉強するときに使える知識になるように系統立てて理解、暗記しておくことが大切です。 |
神経伝達 | ☆ | NAd、ACh、GABA、グルタミン酸などは生化学の範囲に紐づけて理解しておきましょう。 |
細胞の構造と機能 | ☆ | 単純に暗記の範囲です。まずは、細胞内小器官の特徴をマスターして全体像を掴んでおきましょう。 |
微生物関連 | ☆ | 他の範囲の勉強が終わって、暇な人がやる範囲です。 |
上記表中の特徴にも記載していますが、『生物』は、他の科目と連携する範囲が多い科目です。「生物単独の知識として、意味も解らず単なる暗記に時間を費やすよりも、他の科目と連携できる知識を持つ」という意識を持って勉強してみてください。
特に『生物』が苦手な人ほど、他の科目との連携を意識して、自分の得意分野に『生物』をひきずりこんでいくと理解しやすいですし、勉強にも深みがでてきますよ。