大学1年、2年で講義時間の多くのを費やす『化学』の範囲。特に、有機化学は、科目的にインパクトが大きいため、国試対策といえば、“有機化学から始める”みたいな学生さんも多いのではないでしょうか?
有機化学は、確かに学問的には、昔も今も重要です。
しかし、国試においては、全345問のうち、化学の出題数は20問です。全体の5.79%しかありませんし、有機化学に絞ってみれば、国試1回あたり約8問(全体の2.31%)の出題にとどまっています。
『化学』に関して言えば、出題頻度が高くかつ容易な範囲の勉強を行い、それが終わると、他の科目を2、3周回して総得点が225点を越えてから、『化学』の細かい範囲に着手するのがベストだと思われます。
出題頻度が高くかつ容易な範囲を下記にリストアップしたので活用してみて下さい。
範囲 | 項目と勉強のコツ |
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有機化学 | ①IUPAC命名法 ②立体化学 ③アルカン、アルケンの反応 ④芳香族性(命名、反応) ⑤アルデヒド・ケトン・カルボン酸の反応 ⑥酸・塩基の強弱 ①~⑥は、重要項目なので必ずマスターしましょう。 |
分析化学 | 1H-NMRの原理は物理で出題され、1H-NMRのスペクトル解析は化学で出題される頻出範囲なので重点的に勉強しましょう。 |
生薬学 漢方薬 | 基原植物、薬効・効能、構造、生合成経路など出題バリエーションが多く、覚えることも多いです。毎日すこしずつ覚えていくと知識が定着しやすいです。コツコツ覚えていきましょう。 |
化学単独の勉強では物足りない人、そもそも化学が得意な人は、以下も踏まえて学んでみると実践力がつくので参考にしてみて下さい。
- ①生体高分子を生化学と有機化学で紐づけしてみる
- ②医薬品と生体分子の相互作用を有機化学で紐づけしてみる
- ③プロドラッグの医薬品構造を薬物動態学と有機化学で紐づけしてみる
など、他の科目と一緒に紐づけて勉強していくことを意識してみてください。